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Vol.12 ♯や♭が付いている音を演奏するコツ

♯や♭が付いている音を演奏するコツ

皆さんこんにちは!前回までのアドバイスまでで、一通りリコーダーの基本の事はお話しさせて頂けたのではないかと思います!

音楽の教科書に載っていない話も出来たので、皆さんの日頃のご指導や練習のお役に立てていれば幸いです。

さて、今回はちょっぴり背伸びして、お話しするテーマを少しレベルアップします。

低音域から高音域までを一通り演奏するコツや、左手の親指(サミング)をマスターしてくれたこども達は、音楽の授業で出会う教科書に載っている曲や街中で耳にするメロディー等、演奏出来るものがどんどん増えて、リコーダーを演奏する事も楽しくなっている事と思います。

そこで、もう少し表現の幅を広げる為に、「♯や♭が付いている音を演奏するコツ」についてお話ししていきたいと思います。

音を出すコツを掴みにくい「♯や♭が付いている音」は、普段の授業で、音色が濁ったり姿勢が崩れていても、「とりあえず音が鳴っていれば合格!」と、時間が無くて見過ごしてしまうのをよく目にします。

「♯や♭が付いている音」にはそれぞれの音にコツがあるので、よく質問を頂く7つの音について、一つ一つご紹介したいと思います。

・低いド♯(レ♭)の音

なるべく力を抜いた状態で低いレの音が演奏出来るのを確認してから、右手の小指が一番楽に塞げる位置に足部管を調節しましょう。
右手の小指で穴を半分塞ぐ事に意識が向いてしまう傾向にありますが、それ以外の穴がきちんと塞がっているかがポイントです。
低いレの音を演奏している時の姿勢が崩れないように気をつけましょう。

・低いレ♯(ミ♭)の音

低いレの音やドの音より繊細な息遣いが求められる音です。なるべく静かに吹く練習をして、音が裏返らないように息のコントロールする事がポイントです。

・低いファ♯(ソ♭)の音

リコーダーの構造上、音程が高くなりやすく音も割れやすいので、強い息はタブーです。
右手の薬指が塞がっていないことも多いので注意して下さい。

・低いラ♯(シ♭)の音

左手の中指を使わない運指ですが、
左手全体に力が入って、中指を必要以上にリコーダーから離してしまう傾向にあります。
演奏の際、次の音へ指がスムーズに動きにくくなったり、タンギングと指が一致しにくく問題も起こりやすい為、なるべく力を抜いて、中指もリコーダーからなるべく離さないように意識しましょう。

・高いド♯(レ♭)の音

音色においての問題は発生しにくいですが、演奏中に姿勢が崩れやすい音です。
高いレの音同様、左手の親指を離さなければならない為、Vol.7でお話しした「3点支持」を意識しましょう。

下中Vol7_写真2

【3点支持】
「下唇」「左手の中指」「右手の親指」の3つで
バランス良く楽器を支える。 

 

・高いレ♯(ミ♭)の音

「♯や♭が付いている音」の中では余りコツも要らない上に、簡単に楽器も鳴ってくれます。
但し、左手の人差し指を離す事に意識が向いてしまい、左手の手首がひっくり返りやすいので注意して下さい。

・高いソ♯(ラ♭)の音

普段通りのタンギングだと音が外れやすいです。
「トゥー」や「ティー」等の“ t ”の発音より、柔らかい発音の“ r ”を使って「ルー」とタンギングすると綺麗に演奏しやすくなるので、練習してみて下さい。

以上「♯や♭が付いている音を演奏するコツ」でした。
より美しい演奏に向けて、是非チャレンジしてみて下さい!

 

下中拓哉

下中拓哉(しもなか たくや)
東京都新宿区出身。尚美ミュージックカレッジ専門学校音楽総合アカデミー学科作曲コース(4年制)を卒業。作曲を徳備廉純、高橋伸哉の各氏に師事。在学中にリコーダーの研鑽を積み、ポピュラージャンルでのリコーダー奏者としての演奏活動のほか、指導者としても活躍。東日本の小学校を中心に年間200校ほど訪問し、リコーダー講習を行う。そのほか、小学生のための器楽合奏や管楽器のための編曲作品が多数出版されている。現在、東京リコーダー協会 AULOS講師、リコーダー奏者、作編曲家。

 



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