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Music People vol.8 若林 愛

コンサートに「遊びに来てね!」
木管五重奏カラフルの原点は吹奏楽。

私とクラリネットとの出会い

 中学の入学式へ緊張に包まれながら向かうと、会場には華やかなマーチが鳴り響き♪♪♪ その音に心を奪われた私は、すぐに吹奏楽部の門を叩きました。第一希望は打楽器、楽器体験で最初に持たされたのは大きなシンバル、当時背も低く痩せていた私の腕はプルプルと痙攣……シンバルを持っていられず「最初の挫折」。第二希望はサックス、サックスは人気楽器なので第二希望で体験に行った時にはすでにバリトンサックスしか余っておらず、また重さに「第二の挫折」。ウロウロしているうちに強制的に余り物だったクラリネットに決定。
 クラリネットは、最初はなかなか思うように音が出ない。苦戦していた時、母に一本のビデオを見せられました、『ベニー・グッドマン物語』。素晴らしいテクニックに華やかな音色、カッコいい音楽に一瞬にして虜になりました。なんて素晴らしい楽器なんだ!と・・・それ以来クラリネットに魅了され音楽にのめり込んでいきました。


私の吹奏楽部時代

 学生時代は色々な事を経験しました。吹奏楽、マーチングバンド、ビッグバンド…...中でも高校時代のコンクールは、たくさんの思い出があります。
 顧問の先生の指導は厳しく「指の回らない木管は出て行けー!」と合奏を追い出され、悔し涙を流しながら出来るようになるまで、何度も何度も繰り返し練習しました。今、指導する立場になって練習の大切さと厳しい指導は先生の愛の鞭だと分かり、あの時の経験がプロになるための「屈しない根性と忍耐力」を与えてくれたと思います。
 当時35人B編成のコンクールに出ることになりました。小編成バンドだったために部員はたったの12人。各楽器1人ずつくらいしかいない状態の中、コンクールに勝つためには努力の他に工夫が必要でした。クラリネットからサックス、フルートからトロンボーンなど楽器の持ち替えは当たり前で、それ以上にアンサンブル力の強化を目指しました。音を一丸となって飛ばすこと、響きを豊かにすること、曲を鮮明に聴かせること、感動してもらえる音楽を演奏すること。練習以外にもスコア片手に部員同士でも考え、相談や実験を繰り返しながらアンサンブルをしました。音楽に熱中して、みんなで作り上げていくことが本当に本当に楽しかったです。
 その結果、横浜市の大会を突破し神奈川県大会へ進むことが出来ました。


私の憧れのアーティスト

 高校時代、いろいろな音楽に触れて、大好きになったアーティスト達がいます。
 一人目はクラリネット界の貴公子こと赤坂達三さん。甘いルックスに素晴らしい演奏!アルバムの一曲目に収録されているメサージェの『solo de concours』の前半を耳コピして、クラリネットの友達とどちらがより赤坂さんっぽいかを競う"達三さんごっこ"をよくやっていました。記念撮影も大抵がアルバムのジャケ写と同じ"達三さんポーズ"でした。
 二組目&三人目がブラックボトムブラスバンドと杉山淳さん!バンドジャーナルの企画で一緒にレコーディングをさせていただきました。間近で聴いたプロの音圧のすごさ、そしてなにより演奏姿が楽しそう!聴いてるこちらも心の底から楽しくなりました。すぐにファンになった私はCDショップへ行きアルバムを何枚も買いました。レコーディングが終わり、最後に杉山淳さんが言った言葉がすごく印象に残りました。「また遊ぼうね!」
 音でコミュニケーションを行い、音で遊んで、音の楽しさを届ける。その時、私も学生さんや聴いてくれる方々が夢中になれるような音楽を届けたいと強く思いました。
 今でもコンサート告知の最後には「聴きに来て」じゃなくて、「遊びに来てね!」と必ず書きます。音楽を聴いてみんなで一緒にHAPPYになれる時間を共有したいから。
この気持ちが、私がカラフルを作った原点なんです。


次の夢へ〜木管五重奏カラフル

 カラフルを結成してからは、楽しいステージ作りを常に考え、高校時代の私にとってのブラックボトムブラスバンドのような存在になれるようにと、学生さんとの交流も積極的に行いました。そんなクラリネット四重奏のカラフルを経て、私の原点に立ち返ると、やはり「吹奏楽」なんです。
 今まで作り上げて来た楽しいステージはそのままに、今度は「木管五重奏カラフル」という編成で心に響く音楽を作っていきます。フルート・オーボエ・クラリネット・ホルン・ファゴットで構成される木管五重奏は、それぞれが違う振動体を持つ楽器のため、音色もすべて違い、それぞれの音色を存分に楽しみながらハーモニーを聴いていただけることでしょう。吹奏楽部時代に学んだ「小編成でも感動する音楽を作り演奏する」という基本と、甘く優雅な響きの木管五重奏に楽しさを加えた「木五カラフル」の演奏活動にご期待ください。それでは、皆様、木五カラフルのコンサートに「遊びに来てね!」

 

若林 愛【わかばやし・めぐみ】木管五重奏カラフル リーダー
 2008年洗足学園音楽大学音楽学部を優秀賞を受け卒業し卒業演奏会、ヤマハ管楽器新人演奏会に出演。2010年東京ミュージック&メディアアーツ尚美コンセルヴァトアールディプロマ科修了。クラリネットを角田晃、伊藤寛隆の両氏に、室内楽を山根公男氏に師事。進化するクラリネット・ユニットのリーダー&1STクラリネットとして、従来のクラシックの概念にとらわれないPOP&CUTEな演奏を行うべくカラフルを2007年4月に結成。2008年第5回クラリネットアンサンブルコンクール第1位受賞(日本クラリネット協会主催)。年間70本を超える公演を実施。
 2015年1月 木管五重奏カラフルを結成。

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