作曲者 | Johan de Meij(ヨハン・デメイ) |
シリーズ | 輸入オリジナル |
編成概要 | 吹奏楽 |
解説 | 「エクストリーム・メイクオーヴァー」とは「極端な模様替え、改装」という怠味で、サブタイトルに「チャイコフスキーの主題によるメタモルフォージス」ともあるように、チャイコフスキーの名曲のいくつかを用いた「変容」です。 曲はまず、1871年に作曲された弦楽4重奏曲第2楽章の主題「アンダンテ・カンタービレ」がサクソフォーン4重奏で開始されます。デメイによると、チャイコフスキー自身が、この曲に関して、次のような感想をもらしていたそうです。「私(チャイコフスキー)のこのアンダンテを聴いていたトルストイの頬に涙が伝わったときほど、私の生涯で、自分の作品がほめられ、自分の創作能力を誇りに思ったときはなかった…」ちなみに、これは1876年にモスクワ音楽院で開かれた、トルストイのための特別演奏会のときのことだそうです。さらにデメイは、この旋律はロシア民謡によるものだということも述べています。主題の提示が終わるとオーボエとバスーンが加わり、クラリネットとヴィブラフォンがその背後で動きます。最初の変容はバスーンの動きからはじまり、いろいろな楽器が鐘の効果のように積み重ねられます。ティンパニのソロが次の変容を導き出します。ここでは、チャイコフスキーの第4交響曲と第5交響曲、それに「ロミオとジュリエット」序曲の各主題がいろいろに組みあわされ、シンフォニックな効果をあげています。 クラシックの好きなバンドで、楽器編成の充実したバンドに向いた曲です。アムステル・ミュージックの2006年出版。 (秋山紀夫) |