作曲者 | Howard Hanson(ハワード・ハンソン) |
シリーズ | 輸入オリジナル |
編成概要 | 吹奏楽 |
解説 | 吹奏楽としては、1954年ゴールドマン博士の委嘱ではじめて作曲した「コラールとアレルヤ」をはじめ、1972年イーストマン音楽学校創立50周年を記念して同校のウィンド・アンサンブルのために作曲した「ディエス・ナタリス」があります。 この「ラウデ」は1975年2月5日から8日までの間、カリフォルニア州バークレイのカリフォルニア大学と、同じ町のマリオット・インを会場として開かれた第19回CBDNA(College Band Directors National Association 全米大学吹奏楽指導者協会)総会のために、同協会から委嘱されて作曲した曲です。サブ・タイトルとして「コラール・ヴァリエーションズ・アンド・メタモルフォージス」とつけられ、この曲が「聖歌とその変容」であることを示しています。 この聖歌はハンソンが子供の頃、ルーテル教会でスウェーデン系の人々が歌っていた「世界のすべてが神を讃える(All the World Praises Lord)という古い歌をきき、それを覚えていてコラールの主題としてこの曲を作曲したものです。スコアの表紙にその聖歌105番の歌詩が記されています。 トランペットの響きと、サルタリー(古代弦楽器)とハープをもって タンバリンと踊りをもって 弦楽器とオルガンをもって 大きな音のシンバルと高い音のシンバルをもって 神を讃えよ 神を讃える呼吸をもつすべてのものをもって 曲は、打楽器のロールによる4小節のクレッシェンドで開始され、金管がコラールの主題を提示し、木管も加わります。 第1変奏は、打楽器のリズムの上にバスーンから、付点音符のリズムでカノンのようにはじめられ、木管の軽快なリズムの下で、金管が重々しくコラールの主題を奏でます。 第2変奏はクラリネットのコラールにはじまる短い曲で、すぐに6/8拍子アレグロ・モルトの第3変奏に入ります。8分音符を1拍として、その1拍に16分音符の3連符をあてはめた金管のリズムの上に、クラリネットが対比的に動くリズミカルな変奏曲です。 第4変奏は、ゆっくりとした3/4拍子で金管の奏するコラールです。 第5変奏は、ファンファーレ風な主題による金管と木管の応答風な、力強い変奏曲です。 第6変奏は、一変してクラリネットを中心にしたゆっくりとしたアンサンブルとなります。 最後の第7変奏は、金管のコラールで、これを打楽器と木管がリズミカルに彩ります。最後のクライマックスの部分では、コラールのテーマが堂々と鳴り響きます。力強く変化に富んだ変奏曲です。 (秋山紀夫) |