作曲者 | Jan Van der Roost(ヤン・ヴァンデルロースト) |
シリーズ | 輸入オリジナル |
編成概要 | 吹奏楽 |
解説 | この曲は日本の神戸シンフォニック・バンドの委嘱で作曲され、指障者の高橋徹に献呈されました。 曲は3つの楽章で構成されています; I. トレパック Trepak II. ガラヴォット Garavot III. トロイカ Troika I. トレパック Trepak 「トレパック」は「ゴパック」とも呼ばれるテンポの速い農民の踊りのことです。ティンパニのオスティナートのリズムが次第に高まり、木管の民謡風の旋律による序奏のあと、2/4 拍子の速いトレパックの踊りに入ります。木管のメロディがテンポを速め、転調しながら進んで、エキサイティングに曲を閉じます。このトレパックだけでも充分楽しめる曲です。(4分08秒) II. ガラヴォット Garavot ロシアの舞曲は、寒さから身体をあたためるため、速く激しい動きのダンスが多いのですが、南西部のドイツに近いほうでは、ゆっくりしたこの「ガラヴォット」のような舞曲もあります。曲はゆっくりとホルンの旋律によって開始されますが、クラリネットの16分音符の伴奏には「バラライカの効果をまねて」との指定があります。ホルンのメロディはフルートやイングリッシュホルンでも繰り返されます。途中から2/4 拍子となり、次第にテンポを速めますが、再び4/4 拍子のはじめのホルンの旋律に戻って終わる3部形式の曲です。(5分58秒) III. トロイカ Troika トロイカは民謡にもあるように雪遊びに使う「ソリ」のことです。作曲者は「この楽章はソリから眺める雪の大平原を描いた」と述べています。スレイベル(ソリの鈴)の音から2/4拍子の速いテンポで開始され、フリューゲルホルンやホルンが民謡風なテーマを歌います。木管も加えてトゥッティとなり、次第に激しさを増します。しかし、ホルンの歌うゆっくりした中間部に入り、この旋律がイングリッシュホルンやアルト・サクソフォーンで繰り返されたあと、はじめの2/4拍子の主題に戻って、元気よく3部形式の曲を閉じます。(3分17秒) やさしく効果的な曲なので、「プスタ」のように流行するかもしれません。この曲は2006年3月19日、神戸文化ホール大ホールで開催された神戸シンフォニック・バンドの第26回定期演奏会の第2ステージで、高橋徹の指揮で初演され、第3楽章の「トロイカ」は演奏会最後のアンコールの2曲目としても再演され、好評でした。(トータル約13分20秒) (秋山紀夫) |