作曲者 | Ron Nelson(ロン・ネルソン) |
シリーズ | 輸入オリジナル |
編成概要 | 吹奏楽 |
解説 | 作曲者のロン・ネルソンは、この曲について次のように述べています。「ソノラン・デザート・ホリデイ」は、1953年に書いた「サヴァンナ・リヴァー・ホリデイ」からはじまった8つの序曲からなるホリデイシリーズの最後の作品で、描写曲に準ずる曲である。特別な主題は設けていないが、この曲からは、夜、太陽、アメリカの原住民、スペインの影響、南西部の広大な風景といったものが聴きとれるだろう。そして、この国の多様で美しい地域がもたらしてくれる「休日」の体験の素晴らしさも感じられるだろう。雰囲気のある序奏と短いコーダをもつ、A-B-Aの3部形式である」 ソノラン砂漠は、アリゾナ州南部とメキシコのソノーラ州との国境にある砂漠地帯のことで、それをイメージした音楽です。静かなゆっくりした序奏では、フルートのサウンド・クラスターが鳥の鳴き声のように聴こえ、ホルンが広大な景色を描き、クレッシェンドして砂漠がパノラマのように広がります。速い主部は5/4拍子で、原住民の踊りのようにリズミカルに、金管の旋律を中心に発展します。ゆっくりした中間部では、イングリッシュホルンやフレンチ・ホルンがしみじみと歌います。夜の情景を想像することもできます。後半は、トランペットがミュートをつけてサウンド・クラスターを吹き、金管低音がやや不気味な雰囲気を描き、クライマックスで再びテンポを速め主部が再現され、5/4拍子の舞曲がにぎやかに奏せられ、短いコーダに入って終わります。 ロン・ネルソンはこの音楽を「フィルム・スタイル(映画音楽風)」と言っていますが、その彼の作風の特徴がよくあらわれた曲です。ラディック社の1995年の出版。 (秋山紀夫) |