作曲者 | William Schuman(ウィリアム・シューマン) |
シリーズ | 輸入オリジナル |
編成概要 | 吹奏楽 |
解説 | この曲は、ルイジアナ大学のバンドの学生たちの会である「パイ・カッパ・オミクロン」の委嘱により、1956年に作曲され、翌年出版されました。 曲は木管楽器による美しいコラールからはじまります。ト長調のこの親しみやすい旋律は、ウイリアム・ビリングス(1746 1800)が1778年に出版した「The Singing Master’s Assistant」という本のなかにある「チェスター」という歌からとられています。1776年独立戦争がはじまっており、この「チェスター」は当時革命歌として広く歌われました。内容は「暴君として彼らの鉄のむちを振らしめよ。我らは恐れない。ただ神を信ずるのみ、ニューイングランドの神は永遠に我らをすべて救う」というもので、作詩をしたビリングスはアメリカで生まれたはじめての作曲家で、アメリカ独立期の音楽史上重要な人物。この主題が木管による美しいアンサンブルで示されたあと、いきなり金管セクションにより長3度下のホ長調で繰り返されます。主題の提示がすむと、曲は一変して2/4拍子となり、金管と打楽器が打ちこむ力強いリズムにのって、木管が華麗な変奏曲を展開します。この変奏は、次々と転調し、リズムを変え、金管楽器に引き継がれ、打楽器を加えて力を増し、終曲へと盛りあがっていきます。 (秋山紀夫) |