作曲者 | Vincent Persichetti(ヴィンセント・パーシケッティ) |
シリーズ | 輸入オリジナル |
編成概要 | 吹奏楽 |
解説 | オハイオ州にあるバルドウィン・ウォーレス大学音楽院の委嘱で作曲され、1966年1月23日、オハイオ州ベリアにある同大学で作曲者の指揮により初演されました。この曲は彼の著書である「20世紀のハーモニー」(W.W.ノートン・アンド・カンパニー出版)から素材が取られ、テーマと10の変奏曲とコーダからできています。 曲はまず劇的な短い前奏(6小節)にはじまり、次にゆっくりとした主題が提示されますが、パーシケッティにはめずらしく、やや不安げな調子で低音楽器にあらわれます。それにホルンのメロディが続き、その後6/8拍子の第1変奏に入ります。次にホルンをブリッジとして第2変奏に入りますが、ここはリズミカルに打楽器を伴って激しく高まり、クラリネットで静まったあと、プレストの第3変奏に入ります。打楽器と木管が活躍します。 オーボーのソロのあと第4変奏に入ります。ここでは少しテンポを落とし、オーボーの長いソロが続き、ピッコロとトランペットのソロのあとテンポを速め、激しい動きの第5変奏に入ります。打楽器等が激しく動いたあと、ユーフォニアムのソロをブリッジに第6変奏に入り、ホルンが美しくゆっくり歌います。後半6/8拍子となって木管が美しく流れ、ミュートをつけたトランペットに引き継がれます。 第7変奏はアレグロ・モルトで打楽器に導かれてはじまり、木管が絡まりながら美しいソノリティをきかせます。打楽器や金管も加えて力を増し、そのまま第8変奏に入ります。パーシケッティらしい音色の面白さをきかせ、テューバも歌に加わり、テュッティで打楽器もにぎやかに加わって高まり、第9、第10変奏が切れめなしに続いてクライマックスをつくり、コーダに入って終わります。第7変奏からは息つくまもなく、力強く華やかに展開されます。色彩感豊かな曲で、各楽器の独奏的な要素も多く、パーシケッティらしい特色にあふれる曲です。 (秋山紀夫) |