編曲者 | 木村吉宏(キムラ・ヨシヒロ) |
作曲者 | Ottorino Respighi(オットリーノ・レスピーギ) |
シリーズ | 輸入クラシックアレンジ(中上級) |
編成概要 | 吹奏楽 |
解説 | この「ローマの噴水」は有名な3部作の第1作にあたり、1916年に作曲されました。ローマの町の至るところに見受けられる噴水から4つをえらび、それぞれの夜明け、朝、昼、それにたそがれの風景を描いています。第1楽章「夜明けのジュリアの谷の噴水」:ローマ郊外のジュリアの谷の夜明け、噴水の前を羊の群れが通りすぎてゆく牧歌的なありさまを描いています。木管のユニゾンの音階風な動きのなかに、オーボーやクラリネットが歌う、静かでのどかな風景です。第2楽章 「朝のトリトンの噴水」:ローマ市内のベルリーニ広場にある噴水で、海獣トリトンが貝殻の上に座って、ほら貝を吹き、そのほら貝から真上に水があがっている噴水です。したがってホルンのソロでこの曲は開始され、鍵盤楽器や木管がにぎやかに力強く吹きあげる水が朝日に輝いている様子を描きだしている、活気に満ちた楽章です。第3楽章「昼のトレヴィの噴水」:ローマの噴水のなかでも最大で、かつ豪華な噴水で、観光客が必ず訪れる場所です。海神の勝利をあらわしていて、トリトンと海馬のひく貝殻に乗って凱旋門から出てくるところをデザインしてあります。曲はこの豪華で壮大な雰囲気をあらわすため、第2楽章から切れ目なしに入り、金管の低音楽器が高らかに歌い、真昼の太陽に照らしだされた広場と泉をおおらかに描いています。レスピーギらしい華やかな手法がきかれる楽章です。第4楽章「たそがれのメディチ荘の噴水」:第3楽章が静まると、ハープとチェレスタの響きにのって、夕暮れのメディチ家の庭の噴水へと移っていきます。夕方の鐘の音、小鳥のさえずりや木の葉のざわめき、夕暮れのけだるさ等、いろいろな感情の揺れ動きが感じられる抒情的な楽章です。鐘の響きのなかに静かに曲を閉じます。この版は木村吉宏氏が、グレード6、15分15秒に編曲したものです。(秋山紀夫) |