作曲者 | Gustav Holst(グスターヴ・ホルスト) |
シリーズ | 輸入クラシックアレンジ(中上級) |
編成概要 | 吹奏楽 |
解説 | 1906年、小オーケストラのために「2つの無言歌」というタイトルで作曲され、同年7月19日、ホルストの指揮で、ロンドンの王立音楽学校で初演され、親友の作曲家ラルフ・ヴォーン・ウィリアムズに献げられました。 この曲はその後1908年にインドのボンベイにあった知事のバンドで演奏されたこともありましたが、これはホルストの編曲ではなかったようです。また、いつホルストが吹奏楽用に書き直したかもはっきりしませんが、とにかく1930年にイギリスのノヴェロ出版社が吹奏楽版のレンタルの権利をとり、1940年にはエリック・ライゼン(1894 1962)による編曲が出版されました。しかし、新しく出版された楽譜は、王立北音楽大学のウィンド・アンサンブルの指揮者ティモセイ・レイニッシュの編曲によるもので、この編曲は1983年9月24日にマンチェスターにある王立北音楽大学で開かれたBASBE(British Association for Symphonic Band and Wind Ensemble 英国吹奏楽協会)の第2回大会で、エリック・ベネット指揮のスタッフォードシャー・カウンティ・ユース・ウィンドオーケストラにより初演されました。 曲はシンプルな4小節の前奏のあと、コルネットとユーフォニアムがマーチング・ソングのテーマを歌いはじめます。16小節からできているテーマが終わると、また前奏が4小節奏せられ、2回めは木管によってテーマが奏せられます。そのあともう1度前奏のパターンがあらわれ、転調して、リズミカルなはじめのテーマと対照的にレガートなトリオに入ります。11小節からできているテーマは、テュッティとなって2回繰り返され、再び4小節の前奏のパターンに戻りますが、これは転調的に扱われ、9小節の間奏のあと、原調に戻って金管がメロディを奏し、木管が8分音符の動きで飾ります。そのあとコーダとなり、主旋律の一部を使った25小節の結尾部を構成して終わります。 短いけれど、たいへん印象的な曲です。 (秋山紀夫) |