作曲者 | Johan de Meij(ヨハン・デメイ) |
シリーズ | 輸入オリジナル |
編成概要 | 吹奏楽 |
解説 | 作曲家としてのデ・メイの活動は、1984年3月から1987年12月まで3年9ヵ月の年月をかけて作曲したこの「ザ・ロード・オブ・ザ・リングズ(指輪物語)」にはじまりました。編成は一般的な吹奏楽編成にソプラノ・サクソフォーン、フリューゲルホーン(第2、第5楽章のみ)、それにピアノが加えられています。 1955年に出版されてたいへん広く読まれている、イギリスの小説家トールキン(1892~1973年)の同名の3部作からなる小説に題材をとっていますが、たいへん入り組んだストーリーで、簡単に説明すると次のような筋となります。 話の中心は、原始時代の太古に世界の平和や破壊を司どる権力者によってつくられた指輪です。この指輪が創始者ゴラムの手にあった時代はよかったのですが、ホビッツ(小人族)の手から離れると悪魔の力が目覚め指輪が闘争を引き起こします。世界を災害から救う唯一の解決は、この指輪がつくられた悪魔の王サウロンの国のモルドールの中心にあるドーム山の火で焼いて指輪を壊してしまうことでした。このため魔法使いガンダルフを道案内にホビッツのフロド等が冒険に挑む物語です。 音楽はこの物語にもとづく5つの楽章で構成されています。 ●第1楽章 ガンダルフ(魔法使い) Gandalf(The Wizard) この楽章は3部作の主要人物の1人である魔法使いガンダルフをあらわす音楽的なポートレイトといえます。賢さと高貴さをもつ彼の個性が、のちの4楽章や5楽章でも形を変えて用いられます。3/4拍子でゆっくり、金管により物語にふさわしいオープニングで、神秘的な雰囲気で進んでいきます。このテーマが高まったあと、アレグロ・ヴィヴァーチェの速い主部に入り、ここではガンダルフが乗っている白馬シャドゥファックスの疾駆する様子が描かれます。最後は、はじめのゆっくりとしたテーマに戻り、静かに曲を閉じます。約6分10秒。 (秋山紀夫) |