作曲者 | 谷口英治(タイグチ・エイジ) |
シリーズ | オリジナル |
編成概要 | 吹奏楽 |
解説 | 海上自衛隊佐世保地方隊創設70周年記念の委嘱作品として2023年12月に初演された作品です。本職はジャズ・クラリネット奏者であり、作編曲にしてももっぱらポピュラー専門の私が本作の作曲を委嘱されたのは、「本格的なジャズの要素が盛り込まれた前例のない吹奏楽作品を生み出したい」という佐世保音楽隊の方々の熱い思いによるものでした。70年前米海軍の駐留により佐世保の街にはジャズがあふれ、音楽隊もジャズとともに育った…そういう歴史に思いを馳せたプロジェクトです。 この曲の中で展開されるいくつかのメロディーモチーフは、海上自衛隊において今日でも使用される信号ラッパの節をベースにしたものです。それらのシンプルにして心に響く音列は、時に勇ましく時に哀愁を感じさせ、ジャズのリフを生み出す強力なインスピレーションとなりました。中間部の四分の三拍子のバラードは、佐世保の海=西海(さいかい)の美しさを表しています。佐世保の街を歩いて感じるのは、まさに西海のように穏やかな人々の日常です。そうした平和な風が未来永劫吹き渡りますようにという祈りを込めて、私なりの吹奏楽オリジナルに仕立ててみました。 (谷口英治) |
解説2 | 《谷口英治プロフィール》 1968年北九州市生まれ。早稲田大学在学中より山野ビッグバンドコンテスト、浅草ジャズコンテストをはじめとする数々のコンテストで最優秀ソリスト賞を受賞し、プロとしての演奏活動を開始。新旧のスタイルをブレンドした柔軟な音楽性は各方面で高く評価され、現在では本邦を代表するクラリネット奏者の一人として自己のグループを中心に全国でライブ、コンサート、ワークショップを精力的に展開。これまでに『In A Mellow Tone』(2019年)など10枚のリーダーアルバムを発表している。 コンコード・ジャズ祭(1999年アメリカ)、国際クラリネットフェスト(2005年東京)、ジャズ・バルティカ(2018年ドイツ)など国内外のフェスティバルにも多数招聘され、バディ・デフランコ(cl),エディ・ダニエルズ(cl),北村英治(cl),スコット・ハミルトン(ts)、アナット・コーエン(cl),ニルス・ラングレン(tb)などのトップアーティストたちとの共演を重ねる。またデビット・マシューズ(arr,p)率いるマンハッタン・ジャズ・オーケストラのアルバム『ボレロ』(2014年)にはバスクラリネット奏者として参加している。 J-ポップアーティストへのソロおよび編曲提供が多いのもクラリネット奏者としてはユニークなところで、宇崎竜童、由紀さおり、大澤誉志幸、山崎まさよし、ゆず、ポルノグラフィティ、aiko、モーニング娘。、安倍なつみ、AAA、植村花菜、JUJUらのアルバムに参加している。 テレビ出演は、2011年『地球テレビ エル・ムンド』(NHK BS1),2015年『ムジカピッコリーノ』(NHK Eテレ),2017年『ミュージックフェア』(フジテレビ),2019年『関ジャム完全燃SHOW』(テレビ朝日)、ラジオへの出演は『セッション』(NHK FM)ほか多数。 洗足学園音楽大学講師として後進の指導にも力を注いでおり、すでに門下生より次世代を担うクラリネット奏者を複数名輩出しジャズクラリネットの新たな展開を生みつつある。 北九州市特命文化大使。 |